サワダ珈琲館でストロングコーヒーを飲んだあとは、同じく「濃いコーヒー」の系譜店としても知られる平岡珈琲店へ。
2021年に創業100年を迎えた、大阪では現役最古参の喫茶店です。
喫茶店の基礎を作ったカフェー・パウリスタ
平岡珈琲店の話に入る前に、大阪の喫茶店の歴史から。
大阪の喫茶店の草分けは1911年(明治44年)6月、箕面(みのお)市にオープンした「カフェー・パウリスタ」だと言われています。
日本人にコーヒーの味を広めた水野龍の「カフェー・パウリスタ」は今でいう喫茶店チェーンの走り。
誰もが気軽に入れるように当初のメニューはコーヒーが五銭、ドーナツも五銭。現在の喫茶店と同じく庶民の憩いの場所でした。
1911年(明治44年)12月、「カフェー・パウリスタ」は、東京と横浜にもオープン。
大正2年以降には全国各地や上海に店を出し、最盛期には20店を超える店舗があったと伝えられています。
カフェーパウリスタに影響を受けた、大阪現役最古の平岡珈琲店
現存する大阪の喫茶店としては最古参の平岡珈琲店。
創業は大正10年(1921年)。2021年に創業100年を迎えました。
なぜカフェー・パウリスタの話からはじめかというと、平岡珈琲店の創業者・小川忠次郎氏(現マスターの祖父)はカフェー・パウリスタのコーヒーとドーナツに影響を受けており、パウリスタのドーナツを参考に改良した自家製ドーナツが名物メニューだから。
平岡珈琲店はトーストなど軽食メニューはなく、食べられるのはドーナツのみという潔い喫茶店です。
御堂筋の拡張工事やビルの建て替えなどで近場を転々としているため、店内に創業当時の面影はありません。
老舗喫茶店と聞くと身構えてしまう方もいるかとおもいますが、一見さんはもちろん喫茶店めぐりをはじめたばかりの方でも入りやすい店です。
創業以来変わらず、鍋で煮出して天竺木綿で濾して淹れる“ボイリング”方式で提供されるコーヒー。
現在ボイリングでコーヒーを出す店はほとんどありませんが、1930年代までは一般的な方法でした。
メニュー
百年珈琲(ホット・アイス) ¥500
香りブレンド(ホットのみ) ¥500
苦みブレンド(ホットのみ) ¥500
冷製コーヒー (濃い目のコーヒーをシェーカーで急冷する名物のアイスコーヒー) ¥650
カフェオレ ¥550
紅茶(芦屋 Tea House Musica) ¥550
ミックスジュース ¥500
百年ドーナツ(開業以来変わらない揚げドーナツ) ¥220
焼ドーナツ(くちどけの良い国産小麦100%) ¥270
自家製ドーナツとコーヒーは持ち帰りも通販も可能
ドーナツとオリジナルブレンド「百年珈琲ドリップバッグ」はECサイトでも購入できます。
テレビ大阪の「片っ端から喫茶店」第1回目に放送されたのが、平岡珈琲店でした。コーヒーがお好きな方には、わざわざ訪ねてみる価値のある喫茶店だと思います。
平岡珈琲店・店舗情報
【最寄駅】大阪メトロ淀屋橋駅または本町駅より徒歩5分
【住所】大阪市中央区瓦町3丁目6-11
【営業時間】10時~18時
【定休日】火
【公式サイト】https://www.cafe-hiraoka.jp/
※完全禁煙
【参考文献】
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