キャンパスの美しい女子大として名高い兵庫県西宮市の「神戸女学院」。
「名建築で昼食を 大阪編」第5話のロケ地にも使われた乙女建築の代表格のようなキャンパス。「学生とキャンパスの美しさと和は日本一じゃないか」と建築家の藤森照信も著書に書いています。
2023年3月、年に数回開催しているヴォーリズ建築の一般公開(見学会)に参加したので、そのときの写真を残しておきます。
丘の上の上に建つ秘密の花園 神戸女学院の2023年度見学会に参加
いわずと知れた人気建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ。
得意とするのはミッション系の学校建築。
神戸女学院のほかに、同じく阪急沿線の関西学院大学も手掛けています。
岡田山キャンパスの概要
所在地:兵庫県西宮市岡田山
設計:ヴォーリズ建築事務所
施工:竹中工務店
敷地:135.026㎡(移転当時)
ヴォーリズ校舎:17棟(現存12)
一般公開に参加するには
神戸女学院の公式サイトおよび、神戸女学院大学 学生ツアーマイスターのインスタグラムアカウントで、一般公開情報を発信しています。
受付案内時間後すぐに申し込みが殺到しているので、インスタアカウントをフォローして一般公開情報を見逃さないようにしましょう。
参加する際には「協力維持費」として500円が必要です。
過去の見学ツアーとの違い
2017年に参加したときは「見学ツアー」という形でツアーマイスターと順番に建物を巡っていたのですが、コロナの影響か現在は自由見学でした。
建物内部を見られる時間は1時間程度しかなく、時間オーバーで見逃してしまった場所もありました……。
2017年当時は写真撮影可能でもSNSやブログなどに載せることは禁止されていました。
現在はSNSもブログもOKとのこと。
より多くの人に神戸女学院大学のことを知ってほしいと思っていたのでありがたいです。
一般公開で建物の特徴や見所を解説してくれたのは、現役の学生さん。
学内で行われている講座で「ツアーマイスター」に認定されるとガイドができるのだとか。
神戸女学院 ヴォーリズ建築の案内
音楽館
正門から入り、最初に迎えてくれるのは音楽館。こちらは外観のみ見学可能です。
エミリーブラウン記念館と文学部1号館
文学部の建物も外観のみ見学可能。「名建築で昼食を 大阪編」で紹介されたカラフルな瓦屋根はエミリーブラウン記念館で見られます。
講堂
一般公開は800人以上を収容できる講堂からスタート。
舞台、屋根、窓など所々にアーチが用いられていますが、アーチがヴォーリズ建築の特徴であり魅力だそう。
2階席にあるパイプオルガンは講堂に合わせて製作されたもの。阪神淡路大震災で大きな被害を受けましたが、技師の方が泊まり込みで修復を行いました。
中庭と文学館
中庭を中心に建てられた4つの建物。
各建物には以下のような意味付けがされています。
【心】講堂・総務館・ソールチャペル
【知】図書館
【文学】文学館
【理学】理学館
中央の噴水。
四つ葉のクローバー型の噴水口は「名建築で昼食を 大阪編」でも紹介されていました。
図書館
美術館のような玄関ホール。日本一美しい図書館と言われています。
美しい図書館は兵庫県内で撮影された三島有紀子監督(神戸女学院大学卒)の映画「繕い裁つ人」にも登場しました。
全面北向きの高窓から入る光が、クリーム色の室内を照らしています。
注目したいのは天井のアラベスク模様。どうしてこの模様になったかは謎だとか。
元はステンシルで描かれていましたが、修復による吹き付けで鮮やかな姿に生まれ変わりました。
総務館
こちらは総務館の玄関ホール。神聖な空気が漂っていました。
総務館、講堂、ソールチャペルは内廊下でつながっています。
礼拝堂(ソールチャペル)
瞑想と祈りの場にふさわしい、荘厳でありやさしさに満ちた空間です。
7本のロウソクをかたどったステンドグラスなど、ディテールに乙女的なあしらいを施しているのが素敵。
夕方には空間が黄金色に染まるそう。
まとめ
毎回10時半から13時までと一般公開の時間は決まっていますが、建物内部の見学ができるのは1時間ほど。
見学者も多く、過去の見学ツアーのように人がいない写真を撮るのは難しいと思いました。
見学予定の方はタイムスケジュールをしっかりと組んでおいた方が良さそうです。