昨年12月、東京近郊で喫茶店の旅をした際に宿泊したのは、長年憧れていた荻窪の旅館西郊(せいこう)だった。
当記事では旅館西郊の歴史、館内の紹介、予約方法などをまとめています。
登録有形文化財なのに宿泊費はリーズナブル。荻窪の旅館西郊へ
荻窪駅南口から線路脇を東に歩き、徒歩約10分。
曲線を描いた外壁に「西郊ロッヂング」と書かれた建物を発見。
青銅のドーム屋根が目を引く「西郊ロッヂング」は現在賃貸住宅として使われており、その隣に今回宿泊した旅館西郊がある。
昭和初期の荻窪は、皇族・軍人の屋敷や別荘が並ぶリゾート地だったらしい。
「新宿よりもさらに西の郊外」という意味から西郊と名付けられたそう。
設計者:不明
竣工年:本館1930年、新館1937年
※2009年に国の有形文化財に登録された
旅館西郊の歴史
・西郊ロッヂング(新館)は昭和6年に「朝晩食事付きの高級下宿」として建てられた。
旅館西郊(本館)とあわせて30室以上あり、裕福な家庭の学生や近くにあった軍需企業の技師が暮らしていた。
・1948(昭和23)年、洋館だった本館を少しずつ和室に改装し、割烹旅館を開業。割烹旅館として営業するには、館内を和風にしなければならなかった。
・現在のご主人・三代目の平間美民さんが宿を継いでから、新館は賃貸住宅、本館はビジネス旅館として利用されている。
参考文献
貴重な東京遺産。旅館西郊内を見学
ご主人と女将さんが出迎えてくれた。
予約の電話をした際に、岸田今日子を連想させるおかみさんのゆっくりした話口調に癒やされ、対面するのを楽しみにしていたのだけど電話越しに受ける印象そのままの品の良い女性だった。
宿泊費は客室内から中庭が見えない部屋は1泊6500円(税込)、見える部屋は7500円(税込)。
クレジットカード不可の現金払いでチェックインの際に2泊分支払った。
どこを見ても和風旅館で、洋館だった面影が残るのはロビーのマントルピースくらい。
風呂・トイレは男女共同。入浴希望時間にあわせて湯を沸かし、沸いたら電話で報せてくれる。
私が宿泊した2日とも他に宿泊者がいたらしいが、旅館内が広いので人の気配が感じられなかった。
ゆっくりと館内を見学できたのはチェックアウト前。
旅館西郊を拠点にあちこち出かけることができ、つかの間の下宿気分を味あわせてもらった。
旅館西郊の予約方法
旅館西郊の予約方法を調べるためにネット検索したら「やど日本」というサイトが出てくるが、女将さんに直接予約方法を尋ねると、電話してくださいとのこと。
※2022年12月時点で、1日3人しか宿泊を受け付けていませんでした。
私は宿泊予定日の2週間前に予約しました。
※朝食など食事は付きません
旅館西郊本館・施設情報
【最寄駅】JR荻窪より徒歩約10分
【住所】東京都杉並区荻窪3丁目38-9
【宿泊予約・問い合わせ】03-3391-0606