こんにちは、喫茶店愛好家のコトリス(@Kotori_fresh)です。
すっかり寒くなったので、寒い時期に行った喫茶店のことを思い出しています。
今日はゆかりのある青森や仙台以外にはじめて足を踏み入れた東北の街、山形県酒田市の喫茶店「ケルン」について記しておこうと思います。
「47都道府県の純喫茶」を片手に喫茶店行脚
私が喫茶店に目を向けはじめたきっかけは、2014年に山之内遼さん著の「47都道府県の純喫茶」という本を読んだことにさかのぼります。
過去に沼田元氣の本を読んで喫茶店めぐりをしたことがありましたが、喫茶店に行くことを目的に遠方まで足を運ぶことはなかったんです。
「47都道府県の純喫茶」は、全国110軒もの喫茶店を山之内さんが訪ね歩き、そこに集まる人々の物語を記録しています。
「あの時代は良かった」と感傷に浸るのではなく、近隣に住む人のコミュニケーションや憩いの場として、今も昔も変わらずに愛されている「現在進行形の喫茶店」の姿を描いています。
私はこの本を指針として喫茶店めぐりをしていますが、残念ながら著者の山之内さんはもうこの世にはいません。
この本に紹介されていた何軒もの喫茶店にお邪魔すると、山之内さんのことを話されるお店の方が多く、山之内さんの足跡を辿っているような感覚が幾度もありました。
2017年に訪れた風情ある港町、酒田市
山形代表として紹介されている山形県北西部の港町・酒田にある「ケルン」という喫茶店に向かったのは2017年3月のこと。
2012年に仙台で東日本大震災のボランティアをして以来、5年ぶりに東北に足を踏み入れました。

宿泊先の仙台から鈍行を乗り継ぐこと4時間、正午前にようやく酒田駅に到着。

寂しいロータリーでしたが併設していたお土産屋さんには山形土産が充実しており、帰りにたっぷりと買い込みました。
酒田駅から目的のケルンまでは徒歩20分ほど。
江戸時代、北前船による交易で京文化も運ばれてきたため、道中の街並みにも風情があります。
酒田市の「ケルン」は甘味が自慢の喫茶店


正午前にケルンの扉を開けると、先客は常連さんと思わしき中年女性のみ。
ママさんにおすすめを聞くと「甘味が自慢」とおっしゃっていたので、モカパフェ(650円)を注文。

コーヒーゼリーの上に果物がふんだんに盛られた鮮やかなパフェが登場。
苦味のあるゼリーと生クリームを交互に味わい、ここに来れた幸せを噛みしめました。

お客さんが私だけになったところで「47都道府県の純喫茶」を読んで大阪から来たことをマスターご夫妻に伝えると、大変喜んでくださってコーヒーをご馳走してくることに。
コーヒー一杯が生活の糧なのに……とまたもや胸が熱くなりました。
ケルンの喫茶メニュー
豆かんや葛きり、葛あんみつなど、甘味はすべて手づくり。
8時間かけて抽出するアイスコーヒーの他、ストレートコーヒーも6種類ありました。
サンドイッチとコーヒーのセット、ホットケーキとコーヒーのセットもあるので、小腹が空いたときやランチにもおすすめだそう。
バータイムの19時からはアルコールのみの提供です。
夜には伝説のバーテンダーがいるバー「ケルン」として営業

ケルンは夕方までは喫茶店ですが、夜はバーとして営業しています。
スタンダードカクテル「雪国」の考案者、90歳を超す伝説のバーテンダー・井山計一さんが今も現役でシェイカーを振っており、バーテンダーの聖地としても有名。
“雪国”の誕生秘話を描いたドキュメンタリー「YUKIGUNI」

画像引用元:ドキュメンタリー映画「YUKIGUNI」
2019年には井山さんの半生を描いた映画「YUKIGUNI」が公開。
次は「雪国」を飲むために酒田に来ようと決心し、店を後にしました。
ケルン・店舗情報
【最寄駅】JR酒田駅から徒歩20分
【住所】山形県酒田市中町2丁目4-20
【営業時間】10時~17時(喫茶)、19時~22時半(バー)
【定休日】無休
おすすめの喫茶店、ブログで紹介してほしい喫茶店があれば教えてください。喫茶店をやっている人からのご連絡は特に歓迎しています。関西エリアならすぐに伺わせていただきます。
和歌山県紀の川市の「雅園」さんはご連絡をいただいたことをきっかけに、記事を書かせていただきました。別媒体で紹介した記事はYahooニュースにも取り上げられ、周知につながりました。
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