京都洛北。宝ヶ池に佇む国立京都国際会館は、日本初の本格的な国際会議場として1966年に開館しました。設計は丹下健三の一番弟子で右腕だった建築家・大谷幸夫氏です。
本来は催事の参加者しか入ることができない建物なんですが、月に1回程度館内を見学できる「特別見学会」が開催されています。
運良く「特別見学会」に当選したので、建物を堪能してきました。
国立京都国際会館 特別見学会に参加
2021年7月22日〜25日、夏休みイベントとして一般開放されていた国立京都国際会館の特別見学会に参加。期間中は誰でも館内を自由に見学することができますが、特別見学会当選者は通常入れない部屋にも入れました。
5月22日に放送された「新美の巨人たち」は国立京都国際会館特集。
建築の魅力を紐解くArt TravelerでHey! Say! JUMPの伊野尾 慧さんが訪れた影響か、若い女性の姿も多く見られました。
では中へ……。
正面玄関から受付に進むとレトロフューチャーな吹き抜けの空間が広がります。
吹き抜けを抜けると、各会議場を立体的に繋いでいるメインロビーへ。多層的に床が広がる巨大な空間です。
メインロビーは「世界各国の人が交流して物事を決めていく空間」をイメージして設計されています。
建築家・大谷幸夫には『物事は会議室の中ではなく、個別に会ったときに決まっていく。ロビーなど形式ばらない場所での会話で重要なことが決まる』という狙いがあり、メインロビー以外にもあちこちに居心地のいいロビーが配されています。
館内のカーペットは苔をイメージしたモスグリーンで統一。
いたるところにフォトスポットが設置されていました。
「京都議定書」が採択された大会議場
国内唯一の国連方式を採用した大会議場は最大2000人が収容可能。1997年の「京都議定書」が採択された会場として知られています。
斜めの障子がある和風会議場
「新美の巨人たち」に出てきた和風の部屋は、唯一窓がある会議場。台形の傾いた部屋にあわせて、斜めの壁面に障子を建てつけています。
京都国際会館の外観と豊かな自然に囲まれた庭園
巨大なコンクリートの建築物でありながら風景と馴染んでいるのは、建物の形が台形だから。
東に比叡山を望む宝ヶ池の周囲は小高い山並みが続く場所。
山の稜線に合う形として台形という発想が生まれました。
風光明媚な宝ヶ池を借景にとりこんだ「日本式回遊庭園」は、大谷幸夫が日本の原風景の里山や棚田にも通じる庭園として設計。
池では白鳥が2羽飼われています。
京都国際会館内にあるNIWA caféで一息
京都国際会館内には京都の老舗喫茶店「前田珈琲」がプロデュースする「NIWA café」と、本格的な洋食を食べられる「グリル」というレストランがあります。
国立京都国際会館を見学するには
施設見学できる「特別見学会」の開催日は公式Twitterにてご確認頂けます。
国立京都国際会館・施設情報
【最寄駅】地下鉄烏丸線「国際会館駅」より徒歩5分
【住所】京都市左京区岩倉大鷺町422番地
【公式サイト】https://www.icckyoto.or.jp/