喫茶店案内

【47都道府県の純喫茶】岡山市の忘れられない音楽喫茶「東京」の記憶

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こんにちは、コトリス(@Kotori_fresh)です。

昨日阪急電鉄のTwitterアカウントが、バーチャル駅長時代に書いた阪急沿線の喫茶店の記事を取り上げてくれました。

今日書くのは毎年4月になると思い出す、閉店した喫茶店の話。

記憶が残っているうちに、書いておきたいと思いました。

創業57年。岡山市北区田町にあった喫茶東京の歴史

岡山・喫茶東京_外観岡山駅から徒歩圏内の場所に1958年創業の「東京」という音楽喫茶がありました。

過去形なのは2015年4月30日に閉店したから。

創業者の山根義知さんは、戦後航空研究所から広島大学へ転入。その後東京のヤナセへ就職し、昭和33年郷里へ戻ると現在の場所で喫茶東京を創業した。

17歳で特攻隊に志願するもすぐに敗戦。収容所で過ごした経験から、人と人とが話し合い議論することの大切さを感じ「喫茶店を自由な会話の場にしたい」という思いでのスタートだった。

「これからは東京が日本の復興の源になる」というのが名前の由来だ。

引用:ずっと愛されてる店 岡山

岡山・喫茶東京_二階から見下ろす

岡山・喫茶東京_シャンデリア私が東京をはじめて訪れたのは2014年8月。

47都道府県の純喫茶 愛すべき110軒の記録と記憶を見て来たと話すと、店主の藤井さんが吹き抜けに吊るされたシャンデリアの灯りをつけてくれました。

総重量200kgのシャンデリアは東京のシンボルです。

創業者から経営を引き継いだ藤井さんは50代ほどの若い方なので、まだまだ安泰だなと安心していた矢先に閉店の噂を耳にしました。

2015年4月30日、喫茶東京閉店

岡山・喫茶東京_閉店の知らせ

2015年4月初旬に信じられないような気持ちで再び「東京」を訪れると、閉店の知らせがあちこちに掲示されていたので、誤報じゃなかったんだとガックリ肩を落としました。

 

岡山・喫茶東京_一階 岡山・喫茶東京_一階 岡山・喫茶東京_階段

豪華客船の船内をイメージした2階

岡山・喫茶東京_二階 岡山・喫茶東京_二階 岡山・喫茶東京_マッチ

岡山・喫茶東京_二階昭和33年の創業当時「東京」は普通の喫茶店でした。

音楽喫茶に転向したのは翌年の昭和34年。

岡山大生がドヴォルザークの「新世界より」のレコードをかけてほしいと持ち込むと、創業者の山根さんがその美しい響きに衝撃を受けクラシックを流す音楽喫茶に転向。

学園紛争が激しかった時代には2階を岡山大生のゼミの場にするなど、岡山大学とゆかりの深い喫茶店だったそうです。

訪れた日に二階で目を閉じて音楽に身を委ねる人がいましたが、かつての岡山大生だったかもしれません。

現在「東京」の店舗は「炭火焼肉 男前 」という焼肉店になっており、「東京」の面影を残すのはシャンデリアだけ。

どうにかして残せなかったんでしょうか。

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