こんにちは、喫茶店愛好家のコトリス(@Kotori_fresh)です。
今回は京都のレジェンド喫茶のひとつ、西陣の「静香」をご紹介します。
京都の喫茶店文化の先駆け、芸妓さんがはじめた「静香」

静香は昭和12年(1937年)に先斗町の芸妓「静香」さんがはじめた喫茶店です。翌年、喫茶静香の先先代が店を譲り受け、最初に店を開いた「静香」さんの名前を付けたのだとか。


手彫りの小鳥や花をあしらったガラス扉をくぐると、一瞬汽車に乗車したのかと思う座席のような椅子が並んだ空間が現れます。
以前紹介した「のりトースト」が食べられる喫茶店・ウズラの内装は静香を意識しているそう。
静香のコーヒーは自家焙煎
静香のコーヒーは創業当時から自家焙煎であるため、入口脇には店の主のような大きな焙煎機が鎮座しています。
創業当時、コーヒーはきつねうどんの2倍の値段がする貴重品でした。
喫茶静香の先先代は静香開業にあたり、烏丸にある「珈琲の店 雲仙」の先代にコーヒーの焙煎を学んだそう。
河原町三条の有名店「六曜社」の先代オーナーも、静香の先代に焙煎技術を教わったと聞きます。
京都の喫茶店のルーツともいえる店同士にそんなつながりがあるなんて、面白いですね。
お孫さんが静香を引き継ぎ、2016年にリニューアルオープン
長らく店を切り盛りしてきた店主からお孫さんにバトンタッチして、2016年にリニューアルオープンしました。
リニューアルオープンの一報を知り、内装までリニューアルされるのかと気が気ではなかったのですが、確認に行くと外観を赤くした以外変わったところは見受られません。

汽車旅をしているような気分になれる直角の国鉄風ボックス席で一息。
かつては新幹線のシートにも使われていた生地を、いつでも張り替えられるように揃えています。

一段高くした座席部分も、貼られた床張りタイルも健在でホッとしました。

中庭があるのも静香の特徴。
先代のママに聞いたことがあるんですが、昔の京都の喫茶店は中庭つきの店がスタンダードだったそう。
確かにイノダコーヒ本店や京大北門前の進々堂には中庭があるなぁと納得。
おやつに最適なフルーツサンド。甘いもの好きにおすすめ

看板メニューのひとつ、フルーツサンドセット(650円)を注文。
カステラのように甘味があるパンだけでも絶妙な美味しさなんですが、さらに酸味のあるパイン+シャキシャキしたりんご、あっさりしたクリームの味が加わり、心をほぐします。
季節によって使われるフルーツが違うので、何が出てくるのかは注文してからのお楽しみ。
昔から変わらない自家焙煎のコーヒーとともに味わってみてください。
静香のフルーツサンドはことりっぷの表紙にもなりました。
片岡義男さんの「珈琲が呼ぶ」にも静香が登場しています。
京都のフルーツサンドといえば「フルーツパーラーヤオイソ」もおすすめですが、喫茶店でフルーツサンドを味わいたい場合は静香一択です。
喫茶静香・店舗情報
【最寄駅】京都市バス46系統・201系統乗車、「千本今出川」停留所下車徒歩3分
【住所】京都市上京区今出川通千本西入南上善寺町164
【営業時間】9時半〜17時半
【定休日】水(祝日または25日は営業)
【公式サイト】https://kckx903.gorp.jp/
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和歌山県紀の川市の「雅園」さんはご連絡をいただいたことをきっかけに、記事を書かせていただきました。別媒体で紹介した記事はYahooニュースにも取り上げられ、周知につながりました。
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